Tomofiles Note

ドローンとインターネット、そして人との関係を考えるソフトウェアエンジニアのアウトプットブログ

自作ドローンの製作記録 〜Part 1 キットが届いた!〜

どうも、ドローン活動が2Qに突入したTomofilesです。
1Qの振り返りから、2Qはドローン実機を製作して、その仕組みと活用について勉強することとなりました。

いよいよ実機ということで、色々悩みましたが、DJI等の完成機を購入するのはやめました。
操縦スキルを向上させたいというのも目標ではありますが、空撮が目的ではないので、DJIの機体は用途に対して高価すぎるのです。
操縦については、Tiny Whoopの方で楽しみたいというのも考えていて、1Qの勉強のおかげで知識も整ってきて、ドローン活動の方向性が整ってきました。

さて、今回からドローンの自作を始めていきたいと思います。
自作の目的は、ドローンのハードウェアの知識をつけることと、ドローンとSDKを介して自律制御プログラムを作る勉強をすることです。
しかし、ハードに関する知識はラジコン趣味もないのでベースすらなく、イチからの習得になります。
なので、まずは市販で売られているドローン自作キットを購入し、ひと揃い揃った状態から勉強を始めることにしました。

それでは、Part 1始めていきます。

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今回の自作ドローン製作から、かかった費用も記録していくことにします。
あまり無尽蔵にお金を使っていると趣味と変わらないし、実際に業務として自作ドローンを運用する際の費用感も知りたいので、金銭感覚をつけるのが目的です。

なお、ここで製作していくドローンは、飛行させる予定はありません。
本当は飛行させたいですが、首都圏は規制も厳しいし、まだ飛行許可申請周りをよく理解出来ていないので、とりあえずまだ飛行させるところは目標にしません。
(いつか飛ばしに行きたいなぁ…)

ドローン自作キットの購入

所要費:約50,000円(ただし、単体FCで25,000円使っているので、合計75,000円)

さて、ドローン自作キットですが、今回は以下のキットを購入しました。

www.holybro.com

私が勉強したいOSSのDronecodeで標準利用されている、Pixhawk 4というフライトコントローラ(FC)がキットに含まれており、互換性のある周辺機器もセットとなってひと揃い揃います。
Pixhawkというのは自動操縦ハードウェアのオープンソースです。Holybroはその仕様に準拠したハードウェアであるPixhawk 4を製造しているメーカーであり、さまざまな周辺機器も併せてプロダクト展開しています。

pixhawk.org

純正プロダクトから展開されているドローン自作キットなので、含まれているパーツ間の互換性に悩まされることはないと踏んでいます。
RCレシーバーとバッテリーが含まれていないので、そこは自分で用意するしかありませんが、互換性を考える範囲が減るのは初心者には安心ですね。

費用はUSドルで$340、送料、手数料合わせて、合計$411、日本円で約45,000円でした。
流石に海外直輸入なので、送料がやばい。それに、注文時は気づきませんでしたが、これにプラス関税が3200円かかります。
関税が代引きで支払いになるのが知らなくて、送料に含まれていると思っていました。勉強になりますねー。

完成イメージがこちら。

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純正なのも魅力なのですが、何より見た目がカッコイイ!
私が好きなドローン、DJIのMatrice200シリーズとどことなく雰囲気が似ていて(あんなに大きくないですが、Phantomくらいデカイです)、勉強するモチベーションを上げてくれるので、これに決めました。

キットはFCがPixhawk 4版のものと、Pixhawk 4 mini版のものがあり、今回はPixhawk 4 mini版を購入しました。
実はこのキットを購入する前に、AmazonでPixhawk 4単体で購入していました。発送元が中国で全然届く気配が無いですが、一応両サイズのPixhawkを手に入れておきたいと思って、キットの方はPixhawk 4 mini版の購入となりました。
Pixhawk 4単体は、約25,000円です。これもHolybroから購入すれば、もっと安く買えましたかね…。ちょっと失敗です。

実際に届いたキットは以下の箱です。

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箱を開けた写真がこの記事トップの写真で、すべてのパーツが詰め込まれています。

キットの中身

キットに含まれているものを一つずつ見ていきましょう。
ネット上どこ探しても、なかなかドローンの構成パーツの情報ってなくて結構困っていたので、ちょっと細かく説明していきます。

PDB+PMU+ESC

S500フレームの配電盤(PDB)にPMUとESCがはんだ付けされた状態で送られてきます。
電源周りは初心者には難しいので、最初から組み上がっていると嬉しいです。この配線から、こう接続するのねと学べるので、楽ですね。
ただ、このせいではんだゴテを購入した意味が、完全になくなりましたが 笑

知ってる範囲でもう少し説明すると、
ESCは通称アンプとも呼ばれていて、モーターに供給する電圧を制御して回転数を変化させる機能を持っています。
FCがセンサーの姿勢状態やRCの入力を元に、ESCに信号を送り、ESCがモーターの回転数を変化させ、飛び方をコントロールする感じです。
PMUはあまり理解出来ていないですが、バッテリーの電力をそのまま使用出来ないので、いい感じに調整してくれるものだと思っています。
バッテリーを入力に、安定した電力を取り出して、各モーターやFCなどに電力を供給する装置という感じでしょうね。

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ブラシレスモーター

右回転と左回転がそれぞれ2個ずつ、計4個のモーターが付属しています。
3色のコードが3本伸びていますが、電源が2本と、ESCからの信号用の1本の、計3本なのかなと思います。
このコードをESCにどのように配線するか、どこにも説明がないので、あとで調査しないといけません。
こういうところなんですよね、ネット上に説明がないところは。みんな当たり前に知っていることなんですかねー。

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プロペラ

プロペラはスペア無しです。
モーターの軸の先端と同じ色になっているので、どのように装着するかはわかりますね。
この辺はDJIのPhantomとかと一緒です。

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フレームセット

ちょっと写真撮るのめんどくさくなって、まとめて撮影し始めたころの写真です 笑
よく、DJIのフレームF450とかに装着しているカーブした脚がちょっと好きじゃなくて、Matriceみたいな脚のフレーム無いかなーって思ってた矢先の、このキットとの出会いなので、より気に入りました。まぁ個人的な趣味の話ですが。

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テレメトリーモジュール

テレメトリーモジュールは、Dronecodeでは主に地上基地局(GCS)とドローンを接続する無線として使用されます。
ドローンをトラッキングして画面に表示したり、ミッションをドローンに送信したりするのに利用します。キャリブレーション系もできちゃうんですかね?
ラジコン界では、プロポと機体もテレメトリー通信するらしいですが、これはその用途ではないとは思うんですが、どうなんでしょう。
どちらにしろ、このモジュールは日本では使用不可です。
キット購入時にテレメトリーモジュールの周波数を433MHzと915MHzから選択できますが、日本では電波法的にどちらもアウトです。
日本では2.4GHzか920MHzが使用されるそうですが、どちらのテレメトリーモジュールも少し調べた限りでは、かなり高額です。
ラジコン的にプロポとの通信で使うテレメトリーモジュールをドローンに使用している例はネット上にいくつかあったのですが、まだまだ理解が追いついていないです。
あとでしっかりと調べましょう。

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Pixhawk 4 mini + GPSモジュール

ドローンの脳みそ、フライトコントローラ(FC)です。
FCの中に、IMU(慣性計測装置)が含まれていて、加速度、ジャイロ、気圧等のセンサーが内蔵されています。
GPSは外付けで、底上げする棒が付属しています。GPSは機体側の機器と干渉してしまう特徴があるので、十数センチ底上げするか、銅のような金属を敷いて遮断するなどの考慮が必要です。
FCにはファームウェアをインストールする必要があり、DronecodeではPX4がそれに当たります。Pixhawk 4の場合、購入時にデフォルトでインストール済みです。

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キットに含まれていないもの

キットにはRCレシーバー、プロポ、バッテリーが含まれていません。
というのも、これらは状況によって、人によって選ぶものが違うことが多いものだからです。
必要に応じて、コンパニオンコンピュータなども用意できれば、面白いことが色々できそうです。

プロポ

所要費:14,000円

プロポは、ラジコンの送信機のことです。
ラジコン界では、プロポは汎用の機種を一つ購入して、操縦したい機体とバインド(接続)して使用するのが、一般的のようです。

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バインドするには、無線の通信規格(プロトコル)を送信側・受信側で合わせないといけないのですが、これがまた多種多様に存在するため、初心者を非常に悩ませます。
ただ、最近はマルチプロトコルなプロポも発売されていて、機体のレシーバーに合わせてプロポのプロトコルを変更することができます。
私が購入したものもマルチプロトコル対応で、筐体が少しチープなのですが割と安価で多機能なので、これで十分です。

これ一つ買っておけば、Tiny Whoopもバインドして楽しめますしね。

RCレシーバー

所要費:約2,500円(一つ失敗しているので、2,500円×2で実質5,000円)

RCレシーバーはプロポからの操縦の入力を無線を介して受信し、FCに伝える役割があります。
受信機のほうは流石にマルチプロトコルとはいかないので、何か一つプロトコルを選択する必要があります。とりあえず私は、S-FHSSというプロトコルに絞りました。
また、FCとはS-BUS方式という接続方法を採る(PPMという古い?方式も採れるらしい)ので、それにも対応したレシーバーが必要です。
一応それらを満たした以下のレシーバーを試しに購入してみましたが、プロポとの相性が悪いのかバインドができませんでした。

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そこで、プロポと同じメーカーの以下のレシーバーを購入して試してみたところ、バインドできました。やっぱり相性ってのはあるんですねー。

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リチウムイオンポリマーバッテリー+充電器

所要費:14,000円

バッテリーは、ドローンのすべての動力源なので、大容量、大出力のバッテリーが必要です。
リチウムイオンポリマーバッテリー(通称LiPoバッテリー)は、扱い方が多少デリケートですが、手軽にその性能が利用できます。
今回は、DJIのPhantomと同じくらいのセル数、容量のバッテリーを購入しました。4Sの5,000mAhですね。
充電は専用のバランス充電器というのが必要です。LiPoバッテリーは、セルすべてをバランス良く充電・放電する必要があるため、充電方法も一般のバッテリーと比べて少し特殊なので、充電器も専用のものを使用します。
こういったルールを守らないと激しい劣化を起こし、最悪、発煙・発火を招きます。
気をつけてれば問題はなさそうなのであまり神経質になる必要はなさそうですが、念の為保管時はセーフティケースという耐火耐熱ケースに入れておきます。

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費用は、バッテリーが6,000円、充電器が6,000円、セーフティケースが2,000円くらいでした。

まとめ

今回は届いたばかりのドローン自作キットと、その他必要なモノについて紹介しました。
本当は、六角レンチセットやニッパー、はんだゴテセットなどの工具も購入していたのですが、今回はあえて書きませんでした。まぁツール類なんでね、一回買えば済むものですし。

結局合計でいくら使ったかというと、
ずばり、

108,000円

です。
高いですねー。

一応ここから、メインとなるコンパニオンコンピュータと、テレメトリーモジュール、カメラ+ジンバルを搭載したいとは考えていて、プラス5〜6万はかかるんですかね。
DJIの完成機が高額な理由が、よくわかりますね。

とにかく、この出費を無駄にしないように、しっかりと勉強していきたいです。

いやー、面白くなってきた!

◆Next Part
tomofiles.hatenablog.com