自作ドローンの製作記録 〜Part 2 機体ビルド〜
こんにちは。
最近仕事が少し忙しくて、自分の時間が取りにくいTomofilesです。
SESって言っちゃえば時間給なんで、月の目標時間なんていう下限ラインが引かれることが多くて、下手すれば毎日残業なんていう働き方になります。
良いパフォーマンスが出せれば半休しても良い、なんてやり方ができれば理想なんですけどね。まぁ夢を語るのはこれくらいにしましょう。
今回は、前回紹介したドローン自作キットの組み立てと配線をおこなっていきます。
ただ、フレームの組み立ては説明書が付属してるので細かく書きません。主に配線周りを重点的に説明していきます。
それではいきましょう。
キットが届いたのは良いものの、肝心の作り方に関する情報が同封されていませんでした。
フレームの組み立て方の説明書はあるんですけど、これはキットではなくフレームに付属しているものだと思います。
よって、肝心な各モジュール・部品間の配線方法の情報がありません。これは困りました。
機体を浮上させるほどの強力な電力が流れる回路を組み立てなければならないのです。下手な配線をすると危ないですよね。
そこで、私が実際に配線に関する情報を身につけていった経緯を整理していきたいと思います。
電源
まず注目したのは電源です。
バッテリーが4セルもあり、最大14.8Vもの電圧で電気が機体に流れるので、まずは電源周りの知識をつけないと、モジュールを壊してしまうと考えました。
電源は、まずバッテリーからこのモジュールにプラグが接続されます。プラグは、ラジコン界では有名な規格?XT60ですね。
このモジュールは、電源モジュール(Power Module)と言います。PMUなどとも呼ばれますね。
バッテリーから最大10セルほどの電力を入力として、Pixhawk 4 mini(FC)に5.2V・最大3Aの安定した電力を供給します。
Pixhawk 4 miniのPOWERコネクタの入力電圧が4.75V〜5.5V(Pixhawk 4は4.9V〜5.5V)なので、ちょうど良い電圧となっています。
電源モジュールとPixhawk 4 miniは、以下のような6ピンケーブルで接続します。ケーブルはPixhawk 4 miniに同梱されています。
キットでは、電源モジュールの太い電源コードとESCの電源コードが配電盤にはんだ付けされており、バッテリーの入力電圧がそのままESCに供給されています。
ESCとモーターのスペック情報がなくて、入力電圧などがよくわからないのですが、そこはキットものということで、信用して接続しちゃいます。
本当は、ちゃんと調べないといけないですけどね。(上で危ないとか言っときながら適当…)
ESCとブラシレスモーターの配線
ESCはブラシレスモーターの3本のコードと接続します。
コードは3色、モーターから伸びていますが、色々調べて接続方法は以下の通りだとわかりました。
ESCの電源コードの色と合わせてモーターのコードを接続し、余った青いコードを真ん中に接続します。
検索エンジンで「ESC motor wiring」で画像検索すると色々出てきますが、わりとどれもこの接続のやり方でした。
ただ、モーターから伸びてる順番で接続してる例もあったりして、正直よくわからんのですよね。ものによってはすべてのコードが黒いモーターとかありますけど、色で見分けられない場合どうするんですかね?普通はネット上とかにデータシートとか公開してて、そういうので調べて接続方法を知るんですかね?
この辺は、まだよくわかってないです。
ESCとPixhawk 4 miniの配線
ESCから伸びてる黄色と黒のコードは、以下のようにPixhawk 4 miniに接続します。
黄色が信号のケーブルなので、黄色を上にして接続します。ピンの説明は、以下のPX4のサイトにデータシートがあるので、そちらで確認してください。(Pinoutsの辺り)
Holybro Pixhawk 4 Mini · PX4 v1.9.0 User Guide
4つのESCプラグをどの順番で接続するかですが、あとでキャリブレーション編で説明すると思いますが、PX4のAirframes Referenceという設定値で、Pixhawk 4 miniの出力チャンネルと、モーターの割り当てが決定します。
Airframes Reference · PX4 Developer Guide
上記Developer GuideのQuadrotor xというリファレンスが、このキットのフレーム(S500)に当たるんですが、その説明を見ると、以下のような順番でモーターに番号が振られています。
ESCのプラグは、この順番でPixhawk 4 miniに接続します。
ESCの配線は、一つ気をつける必要があることがあります。
ESCの黄色と黒のケーブルと一緒に、赤いケーブルがある場合があります。
赤いケーブルは5Vの電源になっているのですが、それをそのままFCに接続してはいけません。
以下のサイトに、「BECのケンカ」という表現で説明が記載されています。ドローンを動かす 実機・Raspberry Pi編 - Qiita
このキットのESCは、最初から5Vケーブルは除去されているので、気にする必要はありません。
RCレシーバーとPixhawk 4 miniの配線
RCレシーバーは以下の通りの接続します。
このレシーバーはS-BUS方式対応なので、専用ポートの8chにケーブルを接続します。レシーバーによって、S-BUS方式とPPM方式を切り替えできるので、切り替えを忘れずにおこなって下さい。
Pixhawk 4 mini側は、RC INにケーブルを接続します。ケーブルは同じく同梱のものです。
テレメトリーモジュールとPixhawk 4 miniの配線
今回テレメトリーモジュールは、XBeeシリーズのモジュールを使用しました。
テレメトリーモジュールは本当によくわからなくて、なかなか調べるのに難儀しましたが、以下のサイトが参考になりました。
こちらでPX4対応であることと、配線周りの情報が記載されていたので、安心して導入できました。
私が購入したのはXBee ZB S2Cのワイヤーアンテナタイプなんですが、実際に飛行させる場合は、PROシリーズとか、外部アンテナタイプのモジュールを選択したほうが良いかもしれないですね。
購入は以下のサイトを利用しました。機体側、地上側で同じものを2つ購入しました。
XBeeモジュールは地上側も機体側も、そのまま使用するのではなく、アダプターをかまして使用します。
機体側は、5Vインターフェースアダプターを使用します。
XBeeモジュールの入力電圧が3.3Vなので、Pixhawk 4 miniから供給される5Vを3.3Vに変換してあげる必要があります。
アダプターははんだ付けが必要ですが、上記サイトに配線例が書いてあったので、あまり迷いませんでした。
地上側はUSBアダプターで、GCSのコンピューターとUSB接続します。
XBeeモジュールは、XCTUという専用ソフトウェアでファームウェアに設定を書き込まないと利用できません。
具体的には、お互いのモジュールの識別情報や、親機・子機(1 : 1、1 : n、n : mなど)、あとはボーレート(Baud Rate)という電波の変調速度を設定します。
この設定を行い、モジュールをペアリングすることで、初めて使用できるようになります。
この辺は上記サイトにも詳細が記載されています。
なお、このボーレートに関して、私がハマったので特記しておきます。
以下のPX4のガイドにも記載の通り、ボーレートは57600に設定しないと、QGCからテレメトリー接続が認識されません。
ちなみに、金額は以下の通りです。
- XBee ZB S2C:2,546円 × 2
- 5Vインターフェースアダプター:880円
- USBアダプター:1,980円
計:7,952円
シンプルなモジュールを選んでいるので、思ったより金額は高くなかったです。
実際に私がおこなった配線は以下の通りです。サンプルの通りですね。PX4は電源とRxとTxの信号だけあればいいので、CTS、RTSは配線してません。
ケーブルはPixhawk 4 miniのTELEM1に接続します。
GPSモジュールとPixhawk 4 miniの配線と設置
GPSモジュールは以下の通り、他のモジュールと離して配置する必要があるため、専用の棒で一番高いところに配置します。
ケーブルはPixhawk 4 miniのGPS MODULEに接続します。
それから、最後にPixhawk 4 miniを設置します。Pixhawk 4 miniはなるべく機体の中心に配置し、矢印の向きを機首に合わせます。
そして、GPSモジュールにも矢印があるので、同じく機首(Pixhawk 4 miniの向き)と合わせます。
バッテリーを接続
ここまできたら、バッテリーを接続します。
バッテリーを接続すると、PMUとPixhawk 4 mini(のGPSモジュール)、あとはESCも?から、ピロリロロ♪と軽快な電子音が鳴ります。
まとめ
これで、機体ビルドは完了です。
キットには結束バンドが同梱されていて、ESCやその他モジュールはフレームに固定するようにビルドするのが正しいようです。
ただ私は、モジュールは頻繁に組み直すし、配線を変えたりすることも考えて、結束バンドは使わないことにしました。
代わりに輪ゴムで固定しています。あまりかっこ良くないですが、しょうがないですよね。
前回の合計金額に加えて、テレメトリーモジュールの費用が追加になるので、現時点での合計金額は以下の通りです。
108,000円
+8,000円
→116,000円
そういえば、またPixhawk 4単体の返金騒動があったので、合計金額が変わりますが、まぁそれは後で計上します。
こうやって組み上がってみると、やっぱりかっこいいですね。
次はキャリブレーション・飛行準備編ですかね。
実機としてのキャリブレーションと、SIH(Simulation In Hardware)のキャリブレーションの両方を試してみましょう。
それでは。
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