Tomofiles Note

ドローンとインターネット、そして人との関係を考えるソフトウェアエンジニアのアウトプットブログ

GoProが提供する撮影体験

みなさん、GoProって使ったことありますか?
私は去年、趣味でダイビングを始めたのですが、ダイビングの楽しみの一つとして、GoProを買いました。
水中の景色を動画、写真で撮影して、記録を残そうと思ったのです。
このGoPro、ものすごい撮影体験を提供してくれています。

カメラはあまり使いません

私は普段あまりカメラを触ることがありません。
人付き合いが苦手な私は、撮影をする状況がないのです。
なので、スマートフォンのカメラで事足りるのです。
だから、このGoProを初めて使ったとき、いまどきのカメラに大変驚きました。

私が買ったのはこれ

私が買ったGoProはこれ。

【国内正規品】GoPro HERO CHDHB-501-RW

【国内正規品】GoPro HERO CHDHB-501-RW

  • 発売日: 2018/04/02
  • メディア: エレクトロニクス

去年のモデルの一番廉価版ですね。

驚きポイント

エンジニア的な目線になってしまうのですが、まずは、GoProの一番の驚きポイントです。
それは、"スマホとの連動による、新たな撮影体験と、写真、動画のシェアリング体験"です。

デジタルカメラって、メディアデータのやり取りに、どうしても物理的な記憶媒体による煩雑さが伴ってしまい、扱いづらさがありました。
SDカードや有線接続など、配線や記憶媒体の物理的な規格が地味に厄介で、間違えると動かなかったり、壊してしまうこともあります。
特に、GoProはアクションカメラの部類なので、ちょうどいい小型化がされており、シチュエーション次第でケースに入れて使うこともあります。
なので、よりこの物理的なやりとりが、目立ってしまうのです。

GoProの解決方法は非常にシンプルで、無線でスマホと連動してデータのやり取りができるようにしたことです。
そのうえで、このバランス感覚がとてもちょうどいい。
たとえば、遊び終えて撮影した写真・動画を友達と確認しようとしたときに、スマホに予めインストールしておいたアプリを通して、GoProと接続します。
GoProと接続が完了すれば、スマホから撮影した写真や動画が閲覧・視聴出来ます。
気に入ったデータはスマホにダウンロードし、友達にシェアしたり、パソコンに保存したりできます。

スマホとの接続方法はGoPro本体に搭載されたWi-Fiアクセスポイントにスマホから接続しにいく感じです。
写真・動画データ自体はあくまで本体のメディアに記録されているのですが、あたかもスマホに写真・動画が入っているかのように、ユーザに見せてくれます。
価値ある情報を蓄積しているカメラ自体をサーバに見立てて、スマホをクライアントにして実現しているのですね。
Wi-Fiで接続するので、高画質な動画データのやり取りも、結構なスピードが出ます。

スマホとの連動で提供されている機能は、データのやりとりだけではありません。
スマホからカメラの操作ができるのです。これ、いつ使うのだろう? と最初は疑問だったのですが、自撮りをするときに非常に役に立ちました。
友達と旅行に行った際に、自撮り棒の先端に取り付けたGoProは直接操作できません。
そのとき、スマホと接続しておくと、手元でシャッターを切ることができるのです。

手元から少し稼働範囲が広がることで、ユーザに提供できる価値の幅が広がる。
サイズが小さくなることで煩わしくなるデジタル機材の扱いが、スマホとの連動で新たな価値を提供してくれる。
このバランス感覚が、大変素晴らしいと思いました。

ITの真価が発揮されるとき

カメラとスマホを接続すること。
なんだか当たり前のような技術の進化ですが、このバランスの調整はかなりの苦労があったのでは、となんとなく感じています。
繋げば良いってものじゃない。繋いだときに、そこにどんな新たな価値をユーザに提供できるのかを、問わなければいけない。

カメラは純粋にハード的な価値の追求をする。
アクションカメラとして、軽くて小型で、ブレの少ない鮮明な映像が撮影でき、様々なシーンで利用できるものを作る。
その追求と同時に、ソフト的にユーザの撮影体験をデザインし、そのカメラが威力を発揮できる最高の環境を作り出す。
写真・動画を撮影することが楽しくなるような、そんなサービスをスマホを通して提供する。

IoTの技術的向上に伴って、こうしてカメラの撮影体験も向上している。
でも、結局その技術を使って、ユーザにどのような価値を提供するのか、それをデザインするのが重要な気がする。
モノとモノをネットワークで繋ぐことができる時代になってきたが、どれとどれを繋ぐにしても、結局どんな価値を提供したいのかを追求していかないと意味がない。


ただGoProで遊んでただけだったが、そんなことを考えさせられたのが、妙に楽しかった。
誰のために、何のために。それが見える仕事がしてみたいものだ。